気持ちが不安定

Home

気持ちが不安定

気持ちが不安定になる
◎気持ちが定まらない
◎訳もなく情緒が不安定になる
◎生理に伴って憂うつになる

 特別な原因や理由が無いのにも関わらず、気持ちが不安定になる。そういう病状は、俗に気分症と呼ばれます。気分症は他のストレス障害(神経症)と異なり、それを招く原因(ストレスや精神的障害)が存在しないことが大きな特徴です。その影響のせいか、気分症を抱えた人は「何となく・・・」とか「無性に・・・」と訴えるケースがよくあります。また実際は、「気分症を抱える」ということに対してストレスを感じますが、そのストレスを発散しても気分症自体は残るので、同じ状態を繰り返します。

 漢方では、人の体には五気(肝気・心気・脾気。・肺気・腎き)が通じると考えますが、気分症は特に、心気や脾気の鈍さを反映します。(対して、ストレス障害や更年期障害は、肝気や肺気の滞りを反映します。)また五行では、心は火(=炎上の性質)を、脾は土(=土肥の性質)を象徴する部分ですが、これらを脅かす存在として、水(=痰飲)があります。

 水をかけると、火の勢いは弱まります。水を含み過ぎた土は、泥になって流れます。わかりやすく言うと、気分症を抱える人は心(火)や脾(土)の働きを脅かすほどに、湿り気を帯びた状態にある訳です。(逆に抗って、心(火)が盛んになる場合もあります)ちなみにこの「水」は、口から摂る水分やおしっことして出す水分、からだの浮腫とはまったく別の存在です。あくまで水が持つ「火の勢いを鎮めて、土を泥に変える」という性質を「水」と呼ぶ訳です。

 気持ちが不安定な時に服んでおきたい漢方薬とは即ち、痰飲や痰濁を伴う気の巡りを解消する漢方薬を意味します。それには例えば、半夏厚朴湯や柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散陳皮半夏、あるいは苓桂朮甘湯や甘麦大棗湯に一服の価値があります。

ウィンドウを閉じます