• 香蘇散

    胃腸が弱く、憂うつになりやすい方に
    ◎気分の塞がり、憂うつ感、重苦しさ
    軽症の感冒、耳管狭窄、蕁麻疹
    ◎胃弱、腹痛、頭痛、めまい

    このタイプの方は、梅雨時に湿っぽくなるように気分が淀みやすく、また神経質気味で胃弱なのが特徴です。香蘇散は気のうっ滞を治して淀んだ気分を晴らし、正常な活動を導いてからだの障害(痛みや重苦しさ)を鎮めます。

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  • 解説:「感冒剤」としての香蘇散

    香蘇散は葛根湯と同じく、かぜに用いる漢方薬の一つです。実際の効能・効果にもそのように記載されています。けれど2つが大きく異なるのは、葛根湯が体のこわばりを解き、温めて治すのに対して、香蘇散は気を晴らして治していく点です。即ち、体の外へ気を晴らせばかぜを治し、体の内へ気を晴らして胃腸機能を正常に整えます。
    漢方において憂いは気の滞り(淀み)に相当しますが、香蘇散はそうした憂いや曇りを払い、晴れやかにする働きを持っています。その点では、香蘇散は憂さ晴らしの漢方薬とも呼べるでしょう。また古典では「春月に病を得れば、宜しく此の方を用ゆべし」とされ、春先のかぜや耳の塞がり感、梅雨時の憂うつ感といった特有の症状にも用います。