脚のムズムズ感

Home

脚のムズムズ感

就寝時に脚がムズムズしてくる
◎脚が無性に痒くなる
◎虫が這い回る感じがして、気持ち悪い
◎足の違和感で眠れない

 ムズムズ脚症候群は、脳から脚へ向かう神経伝達の一時的な機能障害(機能亢進)が原因とされています。けれど、機能障害を引き起こす原因や、症状が脚に現れやすい理由はよく分かっていません。そして、ムズムズ脚症候群の症状には、いくつかの特徴があります。
①脚の不快な感覚と、脚を動かしたいという強い欲求 ②じっとしているときに症状が現れる(もしくは強まる) ③夕方から夜にかけて症状が現れる(もしくは強まる) ④脚を動かすことで症状が軽くなる(または消える)

 漢方では、ムズムズ脚症候群は不和による気の鬱滞・かく乱を反映した病態と考えます。不和とは、体の感覚・知覚に伴う、ある種の不安定さの事で、感覚の鋭敏化(もしくは麻痺化)、それによる不穏・急迫・煩燥を伴うのが特徴です。女性に多い不定愁訴や男性特有の性機能障害、子供のチック症状なども不和を背景に現れる症状です。なお現代医学の分野では、鉄分や種々のミネラル不足(もしくは、それに伴う神経伝達物質の分泌異常)による神経機能障害が、この不和に相当すると推察されます。

 不和による不調は、五臓の心の不調に結びきやすいのが特徴です。漢方でいう心は単なる循環器でなく、脳の働き(精神や意識・思惟活動など)も含みます。毎晩のムズムズ脚に服んでおきたい漢方薬とは即ち、①不和を防ぐ漢方薬②心の気の乱れを整える漢方薬を意味します。①には、神経を落ち着かせる小建中湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、温胆湯、神経の興奮を防ぐ柴胡疎肝湯や抑肝散芍薬黄連、②には、寝つきの悪さを改善する酸棗仁湯や柏子養心丸、煩熱を鎮める滋陰降火湯や三物黄芩湯に、一服の価値があります。 

ウィンドウを閉じます